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発作について

『いきなりバタッと倒れた』、『意識がなくなり泡を吹きながらケイレンしている』、『反り返りながら手足をつっぱらせて固まっている』などの相談から発作の症状が明らかになることがあります。発作とは、病気の症状の急激に起こることであり、特に初めてご覧になられた場合は慌てられることも多いので対処方法からお話しさせていただきます。

 

≪発作が起きたら…対処方法と観察≫

 

発作2

・時間を確認  ・意識の有無、発作の様子を確認  ・可能ならばビデオに撮り記録

・大きめのバスタオルに包んで抱く、外傷予防(暴れている時、大型犬で難しい時などは無理しない)

・咬傷に注意  ・舌の巻き込み、嘔吐・誤嚥に注意 ・治まった時間も確認し、発作時間を把握

・発作前後の行動の変化(前兆行動・異常行動など)  ・前駆症状(嘔吐など)の有無

・発作のきっかけの検討

・坐薬(ジアゼパム 1~2mg/kg)の使用

 

 

◎どんな行動の変化があるか

⇒落ち着きがない、興奮、過敏、恐怖心、遠吠え、無関心、ボーっとした様子(意識レベルの低下)、攻撃性、壁や空間など何もないところに向かって吠える、風・光・音への反応、暗く狭い場所を好む、後進が出来ない、旋回運動、食べ方(食器の認識、噛み方、食べこぼし、飲み込み方など)

上記のような具体的な行動を日ごろの動きや視力を考慮して評価する。

 

 

◎どんなことが発作の『きっかけ』となり得るか

⇒天候(くもり、雨、台風、低気圧など)、イベント(興奮、遊び、食事、来客、移動・散歩など)、時刻、環境の変化など

 

 

◎危険な発作・こんなときは要注意!-群発発作と重積発作-

群発発作:回数の多い発作が数日間繰り返し起こること。1回の発作が治まった後、短い間隔をおいて、次の発作が起こる状態。

重積発作:1回の発作が15~30分以上続く、または1回の発作が治まる前に次の発作が続けて起きてしまう状態。

 

上記のような発作の場合、すぐに動物病院に連絡してください。発作の症状が重度の場合、対応が遅れると神経障害が残ったり、最悪死に至ったりすることもあるので注意しましょう。

≪発作が起きたら…病因と病態の把握≫

発作は病態によって分類され、その態を把握することが治療と負担の軽減に直接つながる点で非常に重要です。

発作

☆ブレイクタイム:動物の発作の分類

ヒトでは発作の分類は、脳波測定・意識障害の有無・発作の症状・発作型・発作の対象性などで行われます。ヒトでは細かい発作の分類が可能なため分類によって一部の病態の把握が可能ですが、動物の場合、脳波測定が行えなかったり、意識障害の有無が不明確であったりするため、細かい発作分類が行えず、症状だけでは病因・病態の判断は困難であり危険です。病因・病態の把握のためには、各種検査が必要になります。以下は動物における発作の分類ですが、症状によって発作焦点を判断した分類や単純に症状のみに基づいた分類になります。

 

・発作焦点による分類(発作焦点は症状で判断・動物では脳波測定の基準なし)

部分発作:大脳皮質の過剰放電が起こる部位(発作焦点)が運動野や感覚野に局在している場合に起こる発作。

⇒意識が残っており、一部のケイレンや意識が安定せず落ち着かない様子など

全般発作:発作焦点が大脳の半球に至るような発作。

⇒意識を失い、四肢を伸展させ背部を弓なりに反らせたり、全身を震えさせたりする発作。

 

・症状のみによる分類

強直発作:全般発作に分類される。全身を強直させる(四肢伸展・背弓姿勢)発作。

間代発作:全身または一部の筋肉を律動的に攣縮させる(ケイレン)発作。

強直間代発作:突然発症し、強直発作と間代発作を起こします。比較的短時間の発作が多いですが、発作時は意識がなく、その後も意識がもうろうとしたり、落ち着かない様子が続いたりします。

 

 

≪治療-抗てんかん薬-≫

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